地中にしみ込んだ雨や雪は地層によってゴミや汚れを濾過され、同時に地層内のミネラルを吸収して湧きだします。こうした水を一般にミネラルウォーターと呼びます。
そのミネラルのなかで最も重視されるのは、カルシウムとマグネシウムの量です。
水の硬度は、カルシウムとマグネシウムの量から数値化されます。基準となる数値は二一〇ミリグラム/リットル。WHO(世界保健機関)では、水一リットルに溶けているカルシウムとマグネシウムの量を数値化した量が120ミリグラム以上を硬水、それ以下を軟水と示しています。
水の硬度は、採水地によって値がまったく異なります。ミネラルの含有量は、地層や地形、その他の諸条件に影響されるからです。
日本の水がほとんど軟水なのもこれに関係します。日本の国土は起伏が激しく、高地から似地ぷで水の流わが速いため、地層中のミネラルを吸収する期間が短くなります。そのため、ミネラル成分の少ない軟水の水が多く生まれます。
一方、ヨーロッパでは硬水が多くなります。ヨーロッパ大陸は石灰岩層の地層が多く、平坦な大地が延々と広がります。そうした土地から長い年月をかけて水がわきだすため、地層のミネラルを豊富に吸収した硬水ができあがるのです。
軟水はまろやかで飲みやすく、体への負担が少ないという特微かあります。
これに対して硬水は、体質改善など健康作用の高い水です。
私たちの研究によると、良質の硬水を日常的に飲んでいる地域は、一〇〇歳を超す長寿者が珍しくありません。脳梗塞や心筋梗塞を予防し、ダイエット効果もあるのは、硬水のほうです。
ちなみに、ミネラルウォーターと聞くと、当然ミネラルが含まれているものと誰もが思うでしょう。ところが、農水省ではボトル詰めの水すべてを「ミネラルウォーター類」と呼び、ミネラルの含有量にに規定は設けていません。
つまり、日本ではミネラルをほとんど含まない水も、ミネラルウォーターと呼んでよいことになっています。
○水の硬度は、カルシウムとマグネシウムの含有量で決まる。水一リットル中のカルシウムとマグネシウムが一二〇ミリグラム以上あれば硬水。一二〇ミリグラム未満は軟水。
硬度=(カルシウム量mg/L×2.5)十(マグネシウム量mg/L×4.1)※ボトルのラベルに示された硬度は、上の計算式で算出される
[硬水と軟水の基準値<WHO(世界保健機関)による基準値>]
| 分類 | 軟水 | 硬水 | ||
| 軟水 |
中硬水 (中程度の軟水) |
硬水 | 超硬水 | |
| 硬 度 | 0~60mg/L未満 | 60~120mg/L未満 | 120~180mg/L未満 | 180mg/L以上 |
※日本での総称[軟水O~100mg/L、中硬水101~300mg/L、硬水301mg/L~]
| 軟水 | 硬水 | |
| 硬度 | 120ml/L未満(カルシウム・マグネシウムなどミネラル含有量が少ない)。 | 120m1/L以上(カルシウム・マグネシウムなどミネラル含有量が多い)。 |
| 味 | まろやかで飲みやすい。ク セがない。 | マグネシウムの量が多い水 ほど、苦みや重々しさなど 独特の風味が増す。 |
| 適用 | 体への負担が少ないので、 就寝前や体調を崩している ときなどの水分補給に最 適。お茶や紅茶、日本食の 調理によい。赤ちゃんの粉 ミルク用にも適する。 | ミネラルが豊富なため、毎 日の水分補給に使用する と、体質改善や健康増進に 役立つ。 とくにカルシウ ム・マグネシウムの多い水 は、脳梗塞・心筋梗塞の予 防にも期待できる。 |
| 注意点 | ミネラル含有量が少ないた め、体質改善などの効果は さほど期待できない。 | マグネシウムをとりすぎる と下痢などの胃腸障害を起 こしやすい。硬水を飲みな れない人は、硬度を徐々に 上げていくとよい。 |