水に含まれるミネラル成分

ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウム以外にもさまざまなミネラルが含まれます。とくに大切なのは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムの四つです。市販のボトルにも、ふつうこの四つが表示されています。

また、亜鉛・マンガンーセレンなどのミネラルを含む水もあります。

こうしたミネラルの種類と量によって、水の作用は違ってきます。

では、これらのミネラルが体のなかでどのように働くのかをみていきましょう。

カルシウム

カルシウムは、私たちの体のなかで最も多く含まれるミネラルです。その99%は骨や歯を形成しています。残りのIパーセントは筋肉や神経、体液中に含まれます。

この1パーセントのカルシウムの働きは、血液の凝固を助け、筋肉の収縮をうながし、酵素を活性化させ、心臓が正常に働くよう支える、と実にさまざまです。

また、カルシウムは高血圧や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも欠かせません。

さらに、イライラなどの精神的な不安定をやわらげる効果もあります。

ですから、常に1パーセントのカルシウムを安定して体内にとどめておくことが重要。それには、カルシウムの豊富な水を飲むなどして、日頃から積極的にカルシウムを補給する必要があります。

ただし、いくら重要なミネラルだからといって過剰摂取は禁物。むやみにとりすぎれば、脱力感や食欲不振などの原因になります。

なお、日本人に最も不足しているミネラルはカルシウムです。日本の水はほとんどが軟水でカルシウムの含有量が少ないため、日本人はカルシウム不足になりやすい、ともいわれています。

マグネシウム

カルシウムが体内でしっかり働くよう支えるのが、マグネシウムの主な役割です。

マグネシウムの体内含有量は人体のわずか0.14パーセント。その微量なミネラルは、カルシウムとともに骨や歯に多く含まれます。そして、カルシウムが体内で働くのを助けるとともに、カルシウムが骨から溶けだすのを防ぐ働きをしています。

ですから、マグネシウムが不足すれば、カルシウムは十分に働くことができません。カルシウムをしっかりとっていてもマグネシウムの摂取量が少なければ、カルシウムをとっていないのも同じことになってしまうのです。

カルシウムとマグネシウムは、バランスよく摂取することが重要です。その理想の比率はカルシウムニに対しマグネシウムーと考えられています。

なお、マグネシウムには便秘を改善し、疲労を防ぎ、血流を整え、酵素を活性化するという効果もあります。ただし、とりすぎれば下痢を招きます。

ナトリウム

食塩を生成するナトリウム。含有量は人体の0.14パーセントほどで、その四分の一は骨格内にあります。残りの四分の三は細胞の外液に存在し、ナトリウムイオンとなって体液の浸透圧を正常に保つ働きをしています。

ナトリウムのもうひとつの重大な作用は、他のミネラルの代謝を支えること。とくにカリウムとの相互作用は大切で、神経伝達は両者が相互に働いてこそスムーズに行われます。さらに、血圧の上昇や筋力の向上、疲労回復などの効果もあります。

ただし、ナトリウムはふだんの食事で十分に補えます。あえて摂取を心がける必要はないミネラルです。むしろ過剰摂取は高血圧やむくみの原因になりますから、とりすぎには気をつけなければいけません。

カリウム

ナトリウムは細胞の外液に多く存在しますが、カリウムは細胞の内液に溶け込んでいます。その細胞内液で酸・アルカリのバランスを整え、浸透圧を調整するのが、カリウムの主な作用です。

また、ナトリウムとの相互作用によって神経伝達をスムーズにし、筋肉の機能を維持する働きもあります。

さらに、ナトリウムの悪い作用をやわらげるのもカリウムの役割です。たとえナトリウムをとりすぎてしまったとしても、血圧が異常に上昇(高血圧)しないよう防いでいるのが、カリウムなのです。

カリウムは食品中に多く含まれていますが、排泄されやすい性質を持つため、ふだんから摂取を心がけたいミネラルの一つです。カリウム不足は低カリウム血症を招き、疲労やだるさなどのほか、頻脈や心拡張症など心臓の異常を招く原因になります。

ただし、過剰に摂取すれば、腎機能障害や不整脈を招く心配がでてきます。

セレン

別名セレニウムとも呼ばれるセレンは、発育に不可欠なミネラルの一つです。

また、セレンは、強い抗酸化力を持っています。

ふつう抗酸化力というと、注目されるのはビタミンEですが、セレンにはビタミンEのなんと約五〇〇倍もの抗酸化力があるとされます。そのセレンを摂取することは、がん、動脈硬化、血行障害、更年期障害など、体内の酸化が原因で生じるさまざまな病気や老化現象を予防・改善する効果を期待できるのです。

また、体内を酸化させる原因となる活性酸素を除去する作用にもたけています。

しかし、セレンもとりすぎれば弊害は深刻です。肌荒れや肝便変、貧血、脱毛などの慢性的な中毒症状が現れます。また、急激に大量に摂取して、腹痛や呼吸器障害を起こすケースもあります。

亜鉛

人間に必要不可欠なミネラルのうち、もう一つ忘れてはいけないのが亜鉛です。

人体に約ニグラムという微量に存在する亜鉛は、骨や皮膚、前立腺、肝臓、筋肉などに含まれています。

亜鉛の作用はさまざまです。たんぱく質や炭水化物の代謝、ホルモンの活性と成長の促進、皮膚や骨格の発育と維持、脳機能の活発化、抜け毛防止、有害金属の毒性を薄める、アルコールによる肝硬変の改善、コレステロールが原因の動脈硬化の改善、などが主な作用です。

活性酸素を抑制する酵素を活性化する力もありますから、がんや老化の防止にも重要なミネラルといえるでしょう。

亜鉛は、一日に約一〇~一五ミリグラムを目安に摂取することが理想です。

しかし、食物中の含有量が少ないうえ、調理で失われやすく、しかも体内への吸収率が低いなど、現代の食生活において摂取しにくい栄養素でもあります。

とはいえ、不足すれば味覚障害や皮膚のトラブル、成長障害、血糖値の上昇、下痢、骨の異常、毛髪の異常、爪の損傷などさまざまなトラブルを招きます。亜鉛を含む水を定期的に飲むなど、意識的に摂取することが大事です。

以上、ミネラルは私たちの体になくてはならない栄養素です。他にもごく微量ながら、鉄やリン、銅、ヨウ素、マンガンなども健康には必須のミネラルです。

また、これらのミネラルは互いに影響しあって体内機能を整えています。ミネラルの摂取において最も重要なのは、バランスです。「○○は××に効く!」といった情報に踊らされ、特定のミネラルばかり過剰に摂取することは、健康によいどころか、かえって体の害となりかねません。

人の体はミネラルを生成できないが、ミネラルは健康状態を大きく左右する。数種類のミネラルがバランスよく含まれた良質の天然水を上手に活用して効率よくミネラル補給をすることが、日々の健康に役立つ。

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